参 考 文 献 Ⅰ

  
 症 例 集

<脳腫瘍>
 女性、23歳、結婚して4年目、ヒンドゥー教徒、1988年8月に次のような状況で連れてこられた。

<観察された症状>
繰り返す嘔吐、少し動いただけで発汗
歩行中のめまい
食欲不振
鈍く重たい頭痛とめまい
不眠不眠、視覚がぼやけ、興奮で悪化する
弱い記憶力 他

<医学的所見>
脳波―やや異常CTスキャンにより後方窩に異常に発達した嚢胞性正中占拠性病変が見つかる。検査結果による暫定的な診断ー脳腫瘍(血管芽細胞腫あるいは嚢胞性正常細胞腫)

<選択レメディー>
Gels.(ゼルセミューム)200c   水ポーテンシーにて

<経過観察および選択レメディー>
1988年 09月 変化なし、停滞だが悪化もない。同一レメディーの再投与
1988年 11月 変化なし、ポテンシーを1Mに上げる
1988年 12月 嘔吐減少。めまいと衰弱感の減少
1989年 02月 全体的に改善。患者は妊娠
1989年 03月 全体的に良くなる。妊娠の経過も良く何の問題もなし
1989年 04月 ほとんど治癒。問題となる症状は無いが、時々、頭痛があるも治療の継続に消極的。

(「マヤズム治療のための大辞典」スブラタ・クマー・バナジー著 より )


<脳腫瘍>
男性、60歳、2009年1月に来院。

<観察された症状>
・2ヶ月間続いている頭痛
・頸部の痛み
・不眠 他

<医学的所見>
2008年12月に実施されたCTスキャンによる所見―極大巣状浮腫を伴った境界明瞭で明るく増強された占拠性病変(SOL)、および正中線偏移星状細胞腫(または膠芽腫)が認められ、2009年1月、定位生検を実施。結果、グレードⅣ星状細胞腫(または膠芽腫)と判明。

<選択レメディー>
Rita.(ルータ)6c およびCalc-p.(カルク・フォス)3x

<経過観察および選択レメディー>
2009年9月 CTスキャン画像による所見―右後頭頂部と脳梁膨大において、病変は最小限の残留物を残すのみで著しく消失したことを認める。正中線構造に偏移は見られないことが判明。
2010年7月 CTスキャン画像による所見―問題は認められない。現在、患者は問題なく普通の生活を送が、投与回数を減らしつつレメディーを取り続けている。

(「バナジー・プロトコル」プラサンタ・バナジー  プラティップ・バナジー著より)

<窒息性咽頭炎>
7歳、女の子(イザベル)。BCGワクチン接種2週間後、鼻と喉の化膿性炎症が悪化し、午前3時の来院。

<観察された症状>
・突然の発作
・呼吸困難(かろうじて息をしている)
・喉からしわがれたクループ音
・紫色の下肢(膝から下)
・氷のように冷たい下肢(膝から下)

<医学的所見>
緊急オペ(気管切開術による気道確保)および、ステロイド注射による炎症の緩和。

<選択レメディー>
Hep.(ヘパ・ソーファー)粒での投与

<経過観察および選択レメディー>
ほとんど即座に、呼吸が楽になる。同一レメディーを数分間にわたり投与。約15分後、女の子の呼吸は正常に戻る。彼女は落ち着き、眠りにつく。

(「スピリット・オブ・ホメオパシックレメディー」グランジョルジュ著より)

<背部痛>
男性、40代後半、メディア部門の指導的な地位で勤務。 3週間前、会社より突然の解雇、もしくは減俸を言い渡されて以来、背中の肩甲骨の辺りの刺すような痛みに堪えかねての来院。椎間板ヘルニアで2度の手術歴あり。

<観察された症状>
・痛みで青ざめた顔面
・“間違った動き”による激痛
・胸椎が脱臼したような感じ
・痛みは横になると緩和し動くと悪化

<医学的対処>
ジクロフェナクの大量服用(炎症止め鎮痛薬)。鎮痛薬点滴および、硬膜外カテーテル使用。今回の発作では、皮下注射にて局所麻酔薬のプロカインを使用。20%ほどの痛みが軽減するも“間違った動き”をすると即座に大きな激痛が再来。

<選択レメディー>
Nux-v.(ナックス・ボミカ)12c

<経過観察および選択レメディー>
2日後、痛みが60%ほど緩和し、うまく働けるようになる。3週間後、肩の痛みがわずかに戻ってきたためNux-v.100cの再投与。その後、持続的な緩和がもたらされた。

(「痛みを癒すホメオパシー」ベルント・リーガー著より)